2007年5月11日

 一般講座では、名子を「N」、動子を「V」、景子を「C」として考え、それぞれの言葉が持つ情報量を考えながら翻訳をする勉強をしました。この勉強を体験してみて、今まで学校で学んできた「文型」に基づく訳し方から開放されるのを感じました。主語だから「〜は」または「〜が」とお決まりのようにとらえるのではなく、名子はみな「N」であると考えるため、訳すときの語順を日本語の観点から考えるようになりました。どの部分を最初に持ってくれば日本語らしい文章になるのかを考えているうちに、その名子に「a」や「the」がついているか、複数形であるか、無冠詞であるかといった名子が持つ「強さ」に注目し、その言葉自体の情報量を考えるようになってきたと思います。そうはいっても、まだまだ長年染み付いてきた考え方からなかなか逃れられず、油断するとすぐに以前のように考えてしまいます。無意識のうちに考えるようになるためには、まだまだだなといつも痛感しています。



2007年1月12日


 師の著書を読んだり、何回か講座に参加していると同じ話を何度も聞くことがある。悲しいかな、すっかり忘れていることもあれば、「ああ、あのことだ」と思い出してさらに理解を深められることもある。いずれにしても、しつこいくらいにやらないと身に付かない。このような「耳にタコ」ともいえる話のひとつが「語順」のこと。「英語では語順は決まっている」というのは誰でも知っているが「だから語順に情報がない」から、「日本語で語順が持つ役割を、英語では"the"と"a"が受け持つ」という考え方は何度聞いても「そうだ、そうなんだ」と改めてうなずいてしまう。

 ベテランの翻訳者は無意識のうちにそういうことをやっているから「そんなもの(情報量理論)は目新しいことではない」と言う人がいるという話があった。しかし、職人芸のままにしておくのと、理論として共通の技術にしていくのとでは大きな違いがある。共有するため、という意識がないと情報量理論の有難みがわかりにくいかもしれない。

 ひとつ記憶に残ったこと。受講生から「原文の意味をよく取れない時に(情報量理論の)システムを使えないことがある」という趣旨の質問が出たら、講師から「意味を取れない時こそシステムを使うのです」と明快な回答があった。そうはいっても簡単なことではないのであるが、意識しておきたい。



2006年9月22日

 一般参加の方から、「名子の強弱とか、名子が既知のものであるか未知のものであるかに注目することが重要であり、英語の冠詞や単複などに気をつけなければならないということがわかったが、ネイティブだからといって必ずしも正確に書いているとは限らないのではないか。日本人もそうであるようにいい加減な書き方をしているために間違った方向に導かれるということはないのか」という質問がありました。実は私もネイティブだからといって本当にきちんと書いているのだろうかと思っていたのですが、実際に冠詞や複数形に注目してみると、意外なほど文の流れがつながるということがあって、ネイティブは無意識なだけに確かなのでは、またそれだけ基本的で重要な目印なのではないかと思っているところです。アジアの人の英語だったりすると確かに疑わしい部分もあるかもしれませんが、ネイティブであれば、冠詞や複数などは実にきちんとした目印になるのではと思うようになりました。以前は、英語を1文ずつ訳していったとき、どうも文と文のつながりが悪く、何か日本語を付け足さないといけないような気がすることがありました。実はそれは、英語では既知と未知の名子によって流れを作るが、日本語では、「〜は〜が」の区別と既知のものを前、未知のものを後ろにという語順によって文の流れを作る、ということをはっきりと意識していなかったためではないかと思います。情報量理論をさらに追求したいとあらためて思っています。



2006年7月7日

 
講義を受講すると情報量理論を実際に応用する方法を勉強することができるので、毎回受講するのが楽しみです。

 今回の講座で役に立った内容を次に示します。High blood pressure may cause 〜 という文で、High blood pressure を弱い名子と考えれば「血圧が高いと、さまざまな疾患の原因になる」といった訳が考えられ、疾患名と考えれば「高血圧は、・・・」ともできるとのことでした。自分であれば「高血圧」という疾患名と考えて、「高血圧は、・・・」という訳しか考えつきませんが、弱い名子と考えて訳すこともできることが学べて勉強になりました。

 実は午前中の医薬の講義でも、「定冠詞付きの名詞を訳すときは崩さない」というルールを誤解していたことがわかり大発見でした。講義を受講しないとわからないことも多いので、講義を受講するかどうか迷っている方には一度受講してみることをお勧めします。


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 一般公開講座の受講生のノートから一部をご紹介します。講座が開催されるごとに随時、更新していきます。


受講生のノートから